正月 新年初参り
新しい年を迎えて初めてお寺にお参りすることです。旧年への感謝と新年の幸福を祈願する目的で行われます。
一般的には元日から三が日の間に行われますが、松の内(1月7日または15日まで)にする人もいます。
お寺の本堂や仏様にお参りし、新しいお札やお守りを授与したりします。
静かで清らかな雰囲気の中、新たな気持ちで新年を迎える日本の大切な習慣の一つです。
1月 大荒行堂団体参拝
日蓮宗の僧侶が厳しい修行を行う「大荒行堂」へ、檀家や信徒といった一般の人々が団体で参拝することです。
これは、修行中の僧侶を激励したり、その清浄な空気を感じたり、僧侶から加持祈祷を受けたりする目的で行われます。
参加者は、厳しい修行に励む僧侶の姿を間近で見聞きし、自身の信仰心を深める機会となります。
厳しい水行や読経三昧の生活を送る修行僧を見舞い、ご祈祷を受けることが団体参拝の主な内容です。
2月 節分会
立春の前日に行われる、厄払いと招福を祈る儀式です。
豆まきは、魔目(まめ)に通じるとして邪気を払う意味を持ち、福豆を撒き、福を呼び込みます。
厄除けの護摩祈祷や、福笹、縁起物の授与なども行われ、地域によっては特別な法要や行事が催されます。
節分会は、新しい春を迎えるにあたり、心身を清め、平穏な一年を願う仏教の伝統行事です。
3月 春の大祭 春季彼岸会法要
春分の日を中心とした7日間に行われる法要です。
この期間は、西方にあるとされる仏様の浄土(彼岸)と、私たちが住む現世(此岸)が最も近づくと考えられ、ご先祖様の供養に特別な時とされています。
寺院では、彼岸会法要が営まれ、僧侶による読経や法話が行われ、参列者は焼香を行い、ご先祖様の冥福を祈ります。
春季彼岸会は、ご先祖様への感謝の気持ちを新たにし、家族や親族が集まり故人を偲ぶ大切な機会です。
また、自身の仏道修行を振り返り、精進する良い機会ともされます。
4月 花まつり立教開宗会法要
お釈迦様の誕生を祝う4月8日の行事です。寺院は花で飾られた花御堂を設け、誕生仏に甘茶をかけます。
日蓮宗では、日蓮聖人が初めて「南無妙法蓮華経」と唱えた日(4月28日)を記念する重要な法要です。
お釈迦様の誕生を祝う「花まつり」と、宗派の開宗に関わる重要な日を記念する「立教開宗会」が、時期が近いことなどから合わせて行われます。
7月・8月 夏の大祭 新盆供養会・盂蘭盆施餓鬼会法要
新盆供養会(しんぼんくようえ)は、故人が亡くなって四十九日後、初めて迎えるお盆(盂蘭盆会)に、故人の霊を供養する法要です。
親族や故人と親しかった人々が集まり、僧侶による読経や焼香を行い、故人の冥福を祈ります。
一方、盂蘭盆施餓鬼会法要(うらぼんせがきえほうよう)は、お盆の時期に併せて行われることが多い法要で、
ご先祖様だけでなく、飢えに苦しむ餓鬼道に堕ちた霊や無縁仏にも供養を施す儀式です。 食べ物などを供え、読経することで、一切の霊の苦しみから救済することを願います。
亡くなったばかりの故人と、全てのご霊に対して、手厚い供養を捧げる大切な法要となります。
9月 秋の大祭 秋季彼岸会法要
秋分の日を中心とした7日間に行われる法要です。
春の彼岸会と同様に、西方浄土と現世が最も近づくと考えられるこの時期に、ご先祖様の霊を供養します。
寺院では、僧侶による読経や法話が営まれ、参列者は焼香を通じて故人の冥福を祈ります。
秋季彼岸会は、実りの秋に感謝の気持ちを捧げるとともに、ご先祖様への感謝の念を新たにする大切な機会です。
また、家族や親族が集まり、故人の思い出を語り合うことで、絆を深める時間ともなります。
10月 日蓮聖人報恩法要
日蓮宗の宗祖である日蓮聖人のご入滅(1282年10月13日)を偲び、その遺徳を称え、報恩感謝の誠を捧げるために行われる重要な法要です。「お会式(おえしき)」とも呼ばれます。
主な内容としては、読経、唱題(南無妙法蓮華経を唱えること)、法話、御供養などが行われます。
この法要は、日蓮聖人の教えに触れ、その恩に感謝し、自身の信仰を深める大切な機会とされています。
12月 開運祈祷会
参拝者の願いが成就し、より良い方向へ導かれるよう祈る法要です。
多くの場合、特定の仏様や神様のご利益をいただき、災厄を払い、福を招くことを目的として行われます。
僧侶による読経や特別な儀式、法話などが行われることもあります。
開運祈祷会は、個人の願い事だけでなく、家内安全や商売繁盛、無病息災など、様々な願いを込めて参加されます。
自身の心願成就を祈り、前向きな気持ちで日々を送るための心の支えとなるでしょう。